本研究では、米国で初めて仏教の翻訳をし、東洋思想に深い関心を寄せた19世紀米国の作家、エリザベス・パルマ―・ピーボディ(1804-1894)の著述を分析することにより、米国における東洋思想の受容と当時のジェンダー状況との関連を考察した。その結果、ピーボディのトランスナショナルな思想と多元主義的な思想の背景には、社会的な自己実現が非常に制限されていた19世紀米国女性を取り巻くジェンダー状況の影響が色濃く反映されていることが浮き彫りになった。考察の結果は、国内学会や地域への公開講座で研究発表を行い成果とした。
|