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2023 年度 実績報告書

盲僧琵琶の語り物と宗教儀礼-その歴史・実態・役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K21971
研究機関岡山大学

研究代表者

KHALMIRZAEVA SAIDA  岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (50880457)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2024-03-31
キーワード俊徳丸 / 小敦盛 / 座頭 / 九州
研究実績の概要

九州地方の座頭による語り物文芸は、中世の語り物の最も原初的な姿を伝えているとして、1960 年代頃から民俗学者や国文学者の注目を集め、当時少数ながら、未だ活動していた座頭を対象とした取材・研究調査が始まった。木村理郎、成田守、野村眞智子、兵藤裕己、Hugh de Ferranti等による調査報告書や研究論文が発表され、これらは九州地方における座頭の歴史や演目について知る上で貴重な資料となった。だが、従来の研究においては、演目の一部のみが音声テープや文字起こしによる資料として公開され、これらの伝授・伝承経緯についての情報が不足していた。また、口伝えによる詞章の生成・再構築・変容の仕組み、座頭による語り物とその他の語り物ジャンルとの関係の検討は十分ではなく、実態は解明されていなかった。
中世末期から近世初期にかけて全国的に流行した伝承には、『小栗判官』『石童丸』『俊徳丸』『小敦盛』等がある。これらの語り物は、九州地方の座頭のレパートリーの中核ともなっている。これらは、座頭の流派にもよるが、本来座頭が聞き覚えによって習得し、後に即興的に語っていくものである。その一方、例えば、『景清』『小敦盛』のように、ある時点で晴眼者によって台本化され、語られるようになったものもある。
本研究では、座頭のレパートリーにおける説経物・源平物について分析研究を行った。まず、座頭による『石童丸』『小栗判官』『俊徳丸』『小敦盛』を分析し、各伝承の輪郭や決まり文句・定型文を定め、口頭伝承の再構築の仕組みについて論証した。次に、座頭による演目と、説経を始め、同じ素材を扱うその他の語り物ジャンルとの比較を行い、座頭による語り物文芸に特有の定型的な場面と表現、日本の語り物ジャンルを通じて確認できる定型的な場面・表現を明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「アジア大陸における百合若大臣-<帰還した夫>の成立と歴史的展開を巡って-」2024

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ
    • 雑誌名

      説話・伝承学

      巻: 31 ページ: 81-96

    • 査読あり
  • [学会発表] 「インドやその周辺地域の<百合若大臣>― 類話の起源をめぐる一試論」2024

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ
    • 学会等名
      説話・伝承学会
    • 国際学会
  • [学会発表] 「アジアの「百合若大臣」-アジア大陸における〈帰還した夫〉の成立と歴史的展開を巡って-」2023

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ
    • 学会等名
      説話・伝承学会
    • 国際学会
  • [学会発表] “Traditional Formulas and Themes in the Tradition of Blind Biwa Players from Kyushu”2023

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ
    • 学会等名
      European Association for Japanese Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] 「『オデュッセイア』から『ザーヒル』まで-ペネロペイア像の歴史的展開を巡って-」2023

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ
    • 学会等名
      日本比較文学会
    • 国際学会
  • [学会発表] “Regional Tales in the Mosobiwa Tradition of Kyushu: Facts and Fiction in Kikuchi Kuzure and Miyako Gassen Chikushi Kudari”2023

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ
    • 学会等名
      Annual Conference on Asian Studies
    • 国際学会
  • [図書] 文学交流入門2023

    • 著者名/発表者名
      ハルミルザエヴァ サイダ(分担執筆)
    • 総ページ数
      128
    • 出版者
      武蔵野書院

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公開日: 2024-12-25  

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