研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、『蒙求』の古注が平安時代の漢文学にどれほど影響を与えていたか、『蒙求』受容の実態を解明することを目的として、①空海が著した『聾瞽指帰』に『蒙求』の影響が見られるかを検討し、②『蒙求』の標題を基に中国故事を横断的に収集して研究基盤を構築し、③平安時代の漢文学がいかなる漢籍によって故事を受容していたかということについて考察することを目指した。
日本文学
『蒙求』の古注は平安時代の文学に大きな影響を与えたとされるが、具体的な例もあまり指摘されておらず、実際にはどれほど影響したか、その実態は不明瞭なままであった。本研究では、空海の『聾瞽指帰』をきっかけとして、平安時代の漢文学における『蒙求』の受容について実証的に検討した点において学術的な意義がある。また、『蒙求』の標題を基に故事を横断的に整理し、研究基盤を構築することは文学研究以外の分野にも有益であると考えている。