研究課題
古ヌビア語の研究における大きな一歩となったコーパスの開発に関して、Vincent W.J.van Gerven Oei氏と共に手を取り合って取り組みました。van Gerven Oei氏は、古ヌビア語文法の第一人者であり、2022年にはその知識をPeetersから出版したA Reference Grammar of Old Nubianというタイトルの書籍にまとめました。我々が開発したコーパスは、2022年の8月から9月にかけてワルシャワ大学で行われた15th International Conference for Nubian Studiesで発表され、高い評価を受けました。現在、我々はこのコーパスの更なる拡充に取り組んでおり、同時にその詳細についての論文も執筆中です。また、私は2021年度のオリエント学会で母音字の音価についての研究を発表しましたが、新たに得られた知見を含めて、2022年度の同学会でも発表を行いました。この発表は、主にコプト語の母音組織についてでしたが、同じコプト文字で母音が書かれた古ヌビア語の母音組織についても分析しました。さらに、2022年3月からは、Vincent W.J. van Gerven Oei氏が日本学術振興会外国人特別研究員(欧米短期)として国立国語研究所に滞在しています。我々はコーパスの共同開発を進めるとともに、古ヌビア語の文法事象についての共同著作を進めています。この前段階のパイロットスタディの研究結果は、共著でELW: Evidence-based Linguistics Workshopにて発表しました。これらの研究は古ヌビア語の理解とその文法構造の解明に大いに貢献することと期待しています。現在、開発したコーパスを用いた、古ヌビア語の母音字組織に関する論文を執筆しており、今年度中に投稿することを目指しています。
2: おおむね順調に進展している
Vincent W.J. van Gerven Oei氏と共同で取り組んだ古ヌビア語のコーパス開発は、その言語研究の進展にとって重要なステップである。van Gerven Oei氏は、古ヌビア語文法について深い知識を持ち、その知識は2022年にPeetersから出版された"A Reference Grammar of Old Nubian"という書籍にまとめられている。このコーパスは我々の共同作業の成果であり、2022年の8月から9月にかけてワルシャワ大学で開催された15th International Conference for Nubian Studiesで発表され、その価値が認識された。今後、このコーパスの拡充に向けた取り組みが続けられる予定であり、その詳細についての論文も現在執筆中である。また、私自身が2021年度のオリエント学会で発表した母音字の音価に関する研究をさらに進め、新たな発見を2022年度の同学会で発表した。その発表内容は主にコプト語の母音組織についてだったが、同じくコプト文字で母音が書かれた古ヌビア語の母音組織についても触れた。さらに、2022年3月からVincent W.J. van Gerven Oei氏が日本学術振興会外国人特別研究員(欧米短期)として国立国語研究所に滞在している。我々は共にコーパスの共同開発を続けるとともに、古ヌビア語の文法事象に関する論文を共同執筆している。この前段階のパイロットスタディの研究結果は、共著で2022年9月のELW: Evidence-based Linguistics Workshopにて発表した。これらの研究活動は、古ヌビア語の理解深化とその文法構造の解明に対する大きな貢献となることが期待されている。
現在、国立国語研究所にて、日本語学術振興会外国人特別研究員(欧米短期)の制度で客員研究員として在籍しているVincent W.J. van Gerven Oei氏と執筆している共同研究の論文を国際的な学術雑誌に投稿する。van Gerven Oei氏と共同で構築中の古ヌビア語タグ付きインターリニアーグロス付きコーパスをオンラインで公開する。さらに、コーパスを作成する過程で研究した古ヌビア語文献の光学文字認識の実験結果に関する論文を国際的な学術誌に単著で投稿する。さらに、単著で、古ヌビア語文献コーパスにおける、開口度が中程度の母音字の音価と母音字重複の音価の分析を論文としてまとめ、国際的な学術雑誌、もしくは、国内の学術雑誌に投稿する。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (58件) (うち国際学会 18件、 招待講演 26件) 図書 (2件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (6件)
言語処理学会事務局 (編)『言語処理学会第29回年次大会 発表論文集』言語処理学会
巻: - ページ: 732-737
巻: - ページ: 743-748
『デジタルアーカイブ学会誌』
巻: 6(s3) ページ: s123-s126
10.24506/jsda.6.s3_s123
巻: 6(s3) ページ: s206-209
10.24506/jsda.6.s3_s206
小川芳樹・中川俊秀(編)『コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論3』開拓社
巻: - ページ: 404-412
日本音響学会2022年秋季研究発表会講演論文集
巻: - ページ: 1651-1654
Chiara Mecariello and Jennifer Singletary (eds.), Uses and Misuses of Ancient Mediterranean Sources: Erudition, Authority, Manipulation. Tuebingen: Mohr Siebeck.
巻: - ページ: 101-116
10.1628/978-3-16-160012-8
Historical Studies of the Western World
巻: 1 ページ: 26-33
10.57271/hsww.1.0_25
Niedersaechsische Staats- und Universitaetsbibliothek Goettingen
巻: - ページ: 1-70
10.53846/goediss-9082
沈国威(編)『KU-ORCASが開くデジタル化時代の東アジア文化研究』遊文舎
巻: - ページ: 323-335
10.32286/00026614
Proceedings of JADH conference, vol. 2021, edited by Historiographical Institute, The University of Tokyo. Tokyo: Historiographical Institute, The University of Tokyo
巻: - ページ: 144-147
https://www.jsps.go.jp/file/storage/general/j-di/data/jdcatsalon/221226_jdcatsalon_miyagawa.pdf