研究課題/領域番号 |
20K21982
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
村上 明香 東京外国語大学, その他部局等, 研究員 (20880686)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 女性雑誌 / 近代インド / 女性の表象 |
研究実績の概要 |
本研究は、20世紀初頭のインドにおける女性の表象とその歴史的変容を、ウルドゥー語女性雑誌『女性(Khatun)』および『貞淑('Ismat)』を手掛かりに再検討しようとするものである。該当雑誌における女性の表象を余すことなく拾い上げ、その歴史的変容を明らかにすることで、女性の役割や社会との関わりを再検討することを目的に研究を進めている。 初年度にあたる令和2年度は、一次資料をはじめとする文献の収集とその分析に重点を置く予定であった。しかし新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、年度内に行う予定であったインド、パキスタンでの現地調査・資料収集を実施することができなかった。そうした中で、大英図書館のアーカイヴ資料(Archival Records from Endangered Urdu Periodicals: Preservation and Access for Vulnerable Scholarly Resources(EAP566))や、Internet Archive(https://archive.org/)、Rekhta(https://www.rekhta.org/ebooks)といったサイトを使用し、できうる限りの資料を集めようと試みた。ILLによる文献複写サービスも検討したが、上記のサイトの方がより多くの資料を掲載していたため、利用しなかった。その結果、『女性』誌については127巻中107巻を入手することができた。これらの資料については現在、精読・分析を行っている。『貞淑』誌はまだ入手できていない巻が多いが、一次資料の分析は本研究の核となる部分であり、現在、他の入手方法を模索しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで収集した資料については、精読・分析を進めており、本研究開始当時から保有していた資料のデータと合わせ、予定通りに進めることができたと考える。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって海外への渡航が困難となり、当初予定していたインド、パキスタンでの現地調査・資料収集を実施できなかったことから、全体的にはやや遅れ気味と言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は本科研の最終年度となるが、新型コロナウィルスの影響がどの程度残るのか、特にインド、パキスタンでの現地調査・資料収集がいつから再開出来るのか見通しがたたない状況にある。一次資料の分析こそが本研究の核であり、その資料を収集できるかどうかが本研究遂行の上で問題となる。場合によっては、1年間の研究期間延長も考慮せざるを得ないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて海外調査を実施できなかったことに起因する。一次資料の分析が本研究の核となるため、繰越となったぶんは海外調査に使用する。一次資料の分析が本研究の核となるため、場合によっては1年間の研究期間延長も考慮せざるを得ないと考えている。
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