研究課題/領域番号 |
20K22004
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
金子 奈美 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10880908)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | バスク語文学 / 少数言語文学 / 翻訳 / バスク語 / 文学研究 / 翻訳研究 / 自己翻訳 |
研究成果の概要 |
本研究は、筆者が以前から取り組んできたバスク語作家の創作と翻訳についての研究を、個別の作家をめぐる考察からバスク語文学全体、さらに少数言語文学についての考察へと発展させるための基盤構築を行なうことを目的とした。従来の文学研究でほとんど扱われてこなかった少数言語文学の研究としてバスク語文学研究を改めて位置付けるにあたって、近年発展著しい翻訳研究の知見を取り入れ、かつ他のさまざまな少数言語文学に関する文献を参照しながらの調査・分析と考察を行なった。その結果、少数言語文学に特有の条件や性質、それらを分析するための視点や方法論についてより考察を深め、今後の研究のための重要な視座を得ることができた。
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自由記述の分野 |
バスク語文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、とりわけバスク語文学作品の日本語への翻訳によって国内外で高く評価された。2020年に翻訳出版したベルナルド・アチャガの長篇小説『アコーディオン弾きの息子』が、第七回日本翻訳大賞の最終候補作品となったほか、スペイン・バスク自治州にて第七回エチェパレ=ラボラル・クチャ翻訳賞を受賞した。また、バスク語のような少数言語による文学が翻訳される意義と重要性、そしてそうした翻訳の現状と課題について、アカデミックな場だけでなく、一般読者を対象とした複数の書籍においてもわかりやすく論じた。こうした本研究の一連の活動を通じて、少数言語文学と翻訳というテーマを学術的かつ社会的に可視化することに貢献できた。
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