研究課題/領域番号 |
20K22009
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 (2023) 京都精華大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
中尾 沙季子 中央大学, 総合政策学部, 助教 (50883899)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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キーワード | 人種 / パン・アフリカ主義 / ポストスレイバリー |
研究成果の概要 |
コロナ禍や政情不安などで現地調査が十分に実施できなかったため、PAI党員の軌跡をたどる当初の予定を変更し、「アフリカ」と「人種」概念の結びつきを体系化するのに大きな役割を果たしたパン・アフリカ主義運動における「人種」概念の用法に焦点をあて、運動の初期段階である19世紀前半にさかのぼって分析を行った。その結果、奴隷制廃止後の社会における「人種」概念の作用を明らかにするポストスレイバリーの概念をアフリカ大陸におけるパン・アフリカ主義運動の分析に適用するべきであること、その分析においては竹沢の提唱する人種概念の位相のうち「土着の」人種主義(r)と抵抗の人種(RR)とが結びついていることを指摘した。
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自由記述の分野 |
歴史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでほとんど分析の対象となってこなかったアフリカ大陸内部における「人種」概念の作用について、奴隷制・奴隷貿易時代からの継続する影響と、人種主義に対する抵抗運動としてのパン・アフリカ主義運動との双方から接近する多角的な視座を提唱した。アフリカ社会を対象とした分析は人種概念の生物学的根拠が否定された現在においても、当該概念がいかに強いインパクトをもって作用しつづけているかを考える一助となる。
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