研究課題/領域番号 |
20K22010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田瀬 望 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (60876035)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 社交 / 結社 / フリーメイソン / 女性 / ジェンダー / フランス革命 / 啓蒙 / 慈善 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、18世紀フランスのフリーメイソン団における女性団員の受容の様態、思想と活動を分析することで、啓蒙期からポスト革命期のフランス・フリーメイソン研究をジェンダーの観点から刷新しようと試みるものである。 2021年度は研究計画の2年目にあたり、18世紀フランス・ヨーロッパのジェンダー史やフリーメイソン史に関連する研究文献および史料の収集と分析を前年度から継続するとともに、そこから得られた成果の一部を公表した。まず、2021年10月に関西フランス史研究会の例会にて「18世紀フランスにおけるフリーメイソン団と女性 」と題する報告を行い、18世紀から21世紀までのフランス・メイソン界における女性の地位を概観し、女性メイソン研究の動向と論点、主要な史料類型を整理したのち、18世紀女性メイソンの受容と排除に関する現時点での見取り図を提示した。また、ヨーロッパ・フリーメイソン史研究を牽引するコートダジュール大学教授ピエール=イヴ・ボルペールによる旧体制期末期のフリーメイソン団と国家の関係に関する重要論文を翻訳・解説し、東京都立大学人文学部が発行する『人文学報』518-9号(2022年3月刊行)に寄稿した。そのほかフリーメイソン団の慈善活動に関する論文を執筆し、日本の西洋史研究の査読誌に投稿し、現在、査読結果を待っている。 しかしながら、フランスにおけるコロナウイルス感染症の拡大、居住自治体のワクチン接種の遅れと接種後の体調不良により、1年目から延期していたフランスでの史料調査を実施することが出来ず、本研究の実施期間を令和4年度まで延長し、実施することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フランスでのコロナウイルス感染症の拡大や居住自治体のワクチン接種が遅れたことに加えて、接種後の体調不良が長引いたこともあり、予定していたフランスでの史料調査を延期した。そのため、海外の書店から文献や刊行史料を取り寄せたり、文書館への複写申請を利用していたが、当初、予定していた史料を入手できなかったり、複写に時間がかかったことから、研究計画の進捗に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の実施期間を2022年度まで延長し、2022年8月から9月にかけてフランスに渡航し、現地文書館にて計画していた史料調査を実施し、未刊行手稿文書を入手して分析することで、当初予定していた研究課題を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フランスでのコロナウイルス感染症の拡大、ワクチン接種の遅れと接種後の体調不良により、予定していたフランスでの史料調査を延期したため、次年度にフランスでの史料調査のための渡航費用として利用する予定である。
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