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2020 年度 実施状況報告書

日本・韓半島出土遼東系・楽浪系土器の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K22032
研究機関福岡大学

研究代表者

古澤 義久  福岡大学, 人文学部, 准教授 (40880711)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード遼東系土器 / 楽浪系土器 / 弥生時代
研究実績の概要

今年度は、壱岐島や韓半島南部での資料調査を実施する予定であった。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延により実施を見合わせた。その代替として、中国遼寧省の遺跡に関する報告書を基にした分析を進めた。特に、西漢代と東漢代の土器の差異に注目したところ、肩部に段を持つ壺や罐は西漢代に限定されるということが判明した。そのため、対馬島の大田原ヤモト遺跡で出土した同様の特徴を持つ土器は西漢代のものであることが確定できた。従来、日本列島で出土した遼東系土器については、時期が限定できるものとして原の辻遺跡やカラカミ遺跡の事例が挙げられたが、これらはいずれも東漢代のものである。これまでも銅鏡をはじめとして西漢代の遺物は日本列島でもある程度出土し、西漢との交流が想定されてきたが、大部分、楽浪郡との関係で、西漢文物がもたらされたとみるのが一般的である。そのような意味では、今回、西漢代の遼東系土器を特定できたことは、楽浪郡以遠の遼東郡との交流が、想定よりも早い時期に行われた可能性を示唆するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は壱岐島、韓国南部をはじめとする海外調査を実施する予定であった。しかし、壱岐島では医療機関が限られており、コロナウイルス感染症の流行地である福岡から来島することで最悪の場合、医療崩壊を引き起こしかねない事態となっているため、実施を見合わせた。また、海外調査に関しては渡航自体に厳しい制限がるため、実施を見合わせた。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症の動向次第ではあるが、情勢が収束し次第、壱岐、対馬といった離島と韓半島、中国東北地方の資料調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は壱岐島資料調査、韓半島南部資料調査等を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、実施を見合わせたため、次年度使用額が生じた。2021年度は同感染症の動向次第ではあるが、離島調査と韓国・中国での資料調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 九州弥生時代2020

    • 著者名/発表者名
      古澤義久
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 742 ページ: 52-54

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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