研究課題
研究活動スタート支援
本研究の成果は次の3点である。第一に、近年の子ども社会学の動向を踏まえて子ども法史研究の方法を提言した。第二に、1933年児童虐待防止法成立の法的背景として、往時において親権の性質・目的がどのようなものと認識されていたかを分析した。第三に、戦前期の体罰観の様相とその背後にある論理について検討した。第一および第二について論文1本の成果を得た。第三についても公表の準備を進めている。
日本法制史
子どもをめぐる法制度に関するこれまでの研究は大きく社会福祉史的研究・教育史的研究と法制史的研究に分かれ、相互の連絡が不十分であった。本研究では、子どもを語る主体には様々な知的バックグランドを持つ人々が含まれること、また彼らが抱く子ども観が一枚岩ではないことを前提に、それぞれの子ども観の実像と相互の関係を明らかにする領域横断的・学際的研究の必要性を提示した。その実践として、戦前期の親権および体罰に関する議論動向を分析した。