本研究では、個人情報の保護を担っている憲法上の情報プライバシー権のうち、立法による具体化が原則として必要とされている抽象的権利の部分を裁判所が具体化することによって救済できるかどうかを最終的に明らかにすることを目標に段階的に考察を進めた。まず、同権利の抽象的権利とされる部分は、手続的権利に限定されない、適正な個人情報の取扱いを担保するための措置を求める権利と捉えるべきことを、判例の検討を通じて明らかにした。 次に、情報プライバシー権における司法権と立法権の相互作用を解明するために、同権利についてどのように法律制定が要請されるかを詳しく示した。
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