本研究は、多様性研究における「フォールトライン」という概念を適用することで、働き方の違いにより職場内に「分断」(サブグループ化)が生じること、また、分断のきっかけ(トリガー)となるイベントがあることを示した。まず、文献調査、ヒアリング調査から、性別・年齢などの人口統計学的属性ではなく、短時間勤務などの「働き方の違い」という属性によっても分断が起こりうることが示された。次に、働き方の違う者同士の相互関係の中で、「トリガー」となる出来事をきっかけに、職場内に分断が生じることが示された。具体的には、育児のための短時間勤務利用経験者への調査から、トリガーにはいくつかのパターンがあることが示された。
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