本研究では,自動車の物理的寿命(PHL)と新車・中古車の保有寿命(POL)の変化が,自動車のストック,フロー,カーボンフットプリント(CF)に与える影響を推定するためのフレームワークを提案した。本フレームワークを1990年から2016年に日本で登録された新車と中古車に適用した結果,自動車のPHL,新車のPOL,中古車のPOLを10%延長すると,自動車のCFがそれぞれ30.7Mt,26.4Mt,5.2Mt減少することが明らかになった。結果から,新車や中古車の寿命の延長は,温暖化の緩和に大きく貢献することが示された。排出削減を実現するために,自動車寿命の延長に注力するべきである。
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