本研究の目的は、交通インフラへの投資が消費者や企業の立地選択に与える影響を分析することにある。都市化が進む現代において通勤における混雑は都市圏内の課題の1つである。この混雑を考慮に入れたうえで、立地選択がどれほど変化するのかを明らかにすることができる点が本研究の特徴である。分析結果は、通勤における混雑を考慮した場合、交通インフラの整備は消費者も雇用も郊外へ流出させることが明らかになった。また、アメリカ都市圏のデータからこの理論モデルが支持されることが分かった。さらに、東京都市圏でも雇用の郊外化、特に第3次産業において起こっていることが実データから明らかにされた。
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