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2022 年度 研究成果報告書

ポリツァイ概念の転換からみたドイツ社会政策の特性に関する歴史社会学的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 20K22144
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0108:社会学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

坂井 晃介  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10880974)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワードポリツァイ / 歴史社会学 / 福祉国家 / 社会国家 / 警察 / 労働監督
研究成果の概要

本研究では19世紀後半のドイツで成立した労働者社会保険立法の特質を、「ポリツァイ」概念の転換という観点から歴史社会学的に考察した。特にドイツ社会政策の根幹である労働者保護制度において、公衆衛生や生産管理などを含んだ幅広い統治の実践・理念・法令を指す「ポリツァイ」がいかに政策レベルで縮減し再編されていったのかを分析した。分析の結果、「ポリツァイ」概念の縮小と法治国家理念の定着によって、労働者保護政策において長らく重要な役割を担っていた警察は徐々に業務範囲を縮小させたが、代わりに専門職としての労働監督官が代替的役割を担うようになり、むしろ行政権力は拡大していったことが明らかとなった。

自由記述の分野

社会学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、福祉国家形成においてポリツァイの理念と実践がどのように持続されつつ変化していったのかを考察した。それにより、警察と福祉という一見異なる原理を持つ制度が実は近接した歴史的出自を有していたことを示した。なかでも、警察史研究と福祉国家史研究の成果を統合しつつ、特に労働者保護政策における警察と新たな専門職の役割・機能の歴史的考察を考察した。ポリツァイは、法治国家以後の社会政策の形成において大幅にその意義・意味を縮小させつつも、新たな専門職と行政組織の形成を通じて、劣悪な労働環境といった社会的問題をこれまでと異なる形で解決することを試みたことが明らかとなった。

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公開日: 2024-01-30  

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