親子の血縁をめぐる問題のひとつである非血縁パートナーからの虐待について,これまで検証されることがなかった血縁意識という視点から検討したことにより,ステップファミリー,特別養子縁組,第三者がかかわる生殖補助医療などにおける,血縁をめぐる問題への新たな認識の枠組みの提示することができたことは,学術的意義があるといえる. また,判例から血縁がないことだけでなく,血縁があることが虐待の要因となることが明らかとなり,血縁意識からも虐待を検証することの必要性を提示したことは,血縁意識が要因となる虐待を減らす可能性という面で社会的意義があるだろう.
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