研究課題/領域番号 |
20K22154
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
遅 力榕 同志社大学, 社会学研究科, 助手 (40876819)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
キーワード | ボランティア / 参加支援 / 動機づけ / 中間支援組織 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究は,従来の研究において賛否両論である外発的動機づけの有効性を見極めるため,中間支援組織による外発的動機づけとそれによって生み出されるボランティア活動への理解,参加度等の違いを検討する日中比較研究である.研究目的を達成するため,3つの研究課題を設定している. ①:ボランティアの動機づけという理論的概念を明確化すること.②:中間支援組織は参加者に対して外部からどのように動機づけているのかを明らかにする こと.③:①・②の結果を考察・評価し,日中両国の比較を試み,中間支援組織による外発的動機づけの有効性と注意点を提示すること. 2021年度は主に、ボランティア動機づけに関する概念枠組みを精緻化するための情報収集、意見交換を行った。具体的には、まず、ボランティアの動機づけについて講演を行った。向社会的行動を推進するため、行動変容に至るまでの動機づけの有効性や注意点、ボランティア活動展開の可能性と困難をめぐって多角的視座で議論を行った。次に、京都市内のボランティア活動機関・中間支援組織を訪問し、活動担当者から情報収集することができた。一方で,予定していた中国調査は,新型コロナウイルスの影響を受け,現地に赴くことができず ,実施できなかった.しかし、オンライン会議等を通して中国現地にいる研究者および実践者に、平常時のみならず、マラソンやオリンピックといった活動開催時、コロナ発生後のボランティア活動の調整について意見を求め、 論文に整理することができた 。 今後は,文献研究の結果とボランティア関係者から収集した情報を合わせてさらにインタビュー調査の内容を深めていく予定である.そして,これまでの研究成果を論文投稿および学会発表を通して可視化していく.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は,従来の研究において賛否両論である外発的動機づけの有効性を見極めるため,中間支援組織による外発的動機づけとそれによって生み出されるボランティア活動への理解,参加度等の違いを検討する日中比較研究である.新型コロナウイルスの感染症問題の影響を受け,調査は計画通りに実施できなかった.日本調査は,感染状況を見極めつつ,途中までしか実施できなかった.そして,出入国の制限が設けられているため,中国調査の実施も延期せざるを得ないことになった。
|
今後の研究の推進方策 |
まず、日本調査から得られたデータを分析し,その結果を基に論文執筆に集中する。そして、2021年度に実施する予定の中国調査については,できれば中国現地に訪問し,組織の雰囲気を確認しながら調査を行いたい.しかし,実施できない場合に,ZOOMなどのオンライン手法を活用してインタビューを行うことも検討していきたい。 本来は2021年度で研究をまとめ上げる予定であったが、次年度も視野に入れつつ、進行状況を調整しながら、研究成果の発表につなげていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定していた調査(とりわけ中国調査)は実施できなかったためである.具体的には,現地への旅費,調査対象組織への謝金等が,未使用となった.これら未使用分を2022年度において使用予定である.具体的には,調査の実施,データの整理,国内外における学会発表や論文投稿など成果報告のための費用が2022年度予算の多くを占めると予想している.また、より効率的・効果的に研究活動に集中するため,備品費・消耗品費,会議費などの費用も必要とされる。
|