研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、第一次世界大戦中・戦後期のアメリカにおいて行われた「海外戦没女性」顕彰の歴史的・社会的な意味を明らかにすることに取り組んだ。本研究が分析対象とする「海外戦没女性」とは、戦地へ従軍し同地で戦没したアメリカ人女性を指す。研究対象とする時期は、第一次世界大戦アメリカ参戦から戦間期にかけてとした。アメリカにおける第一次世界大戦研究の大多数が「海外戦没女性」を等閑視しており、本研究はこれを可視化することができた。
社会学
本研究の研究成果の学術的意義は、以下の2点に集約される。第一に、従来論じられてこなかった第一次世界大戦期・戦後期の「海外戦没女性」に注目することによって、戦没者顕彰とジェンダーの関係性を歴史社会学的に解明することに貢献した。第二に、日本ではほとんどなじみのない軍隊の人的資源政策をめぐる研究の蓄積を学問潮流に基づいて整理し、なおかつ、それぞれの潮流におけるジェンダー分析の位置付けを示すことができた。