研究課題/領域番号 |
20K22162
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳 采延 東京大学, 社会科学研究所, 特任研究員 (90882217)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 韓国 / ライフコース選択 / 専業主婦 / 非婚 / 家父長制 |
研究実績の概要 |
本研究は、韓国の女性のライフコース選択に関する意識を問う質問紙調査とインタビュー調査を通じて、韓国社会の階層・世代ごとの労働力再生産の構造の変化とその要因における特徴を解明するものである。 初年度においては、(1)文献レビュー、(2)女性のライフコース選択に関する意識調査の事前準備、(3)専業主婦志向の女性へのインタビュー調査、(4)非婚志向の女性へのインタビュー調査に向けた事前準備をおこなった。 (1)韓国における人々の労働力再生産の構造の動向に関する先行研究を家父長制とのかかわりや国際比較という視点からまとめた上で、本研究の各課題の具体的な調査内容を整理した。 (2)階層・世代ごとにどのような意識(性別役割分業意識、家族規範など)を経由し、女性のライフコース選択(専業主婦志向、両立志向、非婚志向など)を決定しているかを分析するためのアンケート質問項目を具体化した。 (3)女性のライフコース選択の中でも「専業主婦志向」を持つ女性たちに対し、「主婦」の役割をどのように位置づけているか、他のライフコース選択をどのように意識しているかといった点に焦点を当てインタビュー調査を行った。 (4)女性のライフコース選択の中でも、非婚化・非恋愛を志向する女性たちに関して、どのような個人的経験と共通の社会的体験を通じて非婚志向・非恋愛志向の価値観を形成しているか、「家父長制への対抗としての非婚・非恋愛」の動向は世代別・階層別にどのような差異を持っているかという視点からインタビューの調査設計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響により、アンケート調査方法の調整などが生じ、やや遅延が生じたものの、(2)と(4)の研究を同時に進める方向で上記のように調査を順調に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
(4)のインタビュー調査に関してはオンライン実施の準備が整っており、次年度中にその研究成果を学会発表と論文執筆の形でまとめる予定である。また、同時に(2)アンケートのWEB調査依頼の準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、アンケート調査とインタビュー調査の方法などに変更が生じ、一部は次年度の実施となったため調査実施にかかる諸経費および旅費などの執行が初年度におこなわれなかった。対面による実施が困難となったため、初年度はオンライン実施の準備を進め、次年度に謝礼金など調査実施にかかわる諸経費が執行される予定である。
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