研究課題/領域番号 |
20K22179
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤原 あや 筑波大学, 人間系, 助教 (10882417)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
キーワード | 自閉スペクトラム症 / 社会的遊び / 社会的相互作用 / 幼児 |
研究実績の概要 |
本研究は、保育者に向けた社会的遊びの選定と指導のためのフォーマットの開発、および保育場面における社会的遊びがASD児に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 令和2年度には研究1として、社会的遊びの評価尺度の文献的検討を行った。具体的には、海外の就学前教育・保育場面における社会的相互作用に関する研究を概観し、社会的相互作用の評価方法を整理した。 その結果、評価の対象は、定型発達児や社会的相互作用に困難がある自閉スペクトラム症児、診断はないがかかわりに課題がある幼児、行動上の問題がある幼児が対象となっていた。また、対象児の年齢の範囲は15か月から6歳であった。評価の対象となる場面は、社会的相互作用の評価を行った場面は、プレスクールやキンダーガーデン、インクルーシブなプレスクール、チャイルドケアセンター、特別支援学校であった。 そして、海外の就学前教育・保育場面における社会的相互作用の評価には、観察や質問紙が用いられており、観察においては評価の対象(社会的相互作用の回数、継続時間、内容など)に応じて、定義された行動の記録やフィールドノートによる記録などが行われていた。質問紙については、観察とあわせて実施される場合と、質問紙のみが実施されている場合があった。社会的相互作用の具体的な変化を把握するためには、観察による評価が有効であると考えられるが、観察の対象となる行動は研究によって異なっていた。そのため、対象児の発達段階や観察場面、観察方法などの観点から観察の対象となる行動を整理することで、目的に応じた実行可能な方法の選択が可能になると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1の論文投稿が遅れているため
|
今後の研究の推進方策 |
今後、研究2を実施するにあたり、幼稚園や保育所等の保育場面だけでなく、就学前の障害のある幼児の療育・保育を行う児童発達支援センターを含めて、広く研究協力を呼びかけ研究2の実行可能性を高める。また、新型コロナウィルスの感染拡大の懸念から保育場面における研究の実施が困難な場合には、オンラインの使用や調査など、実施可能な方法を検討しながら進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究1に関する論文の校閲が完了していないため、次年度使用額が発生した。次年度に論文の英文校閲費として使用する。
|