本研究では、特別支援学校(聴覚障害)高等部教師の教科指導における手話活用意識を明らかにするために、指導年数の長い教師を対象とし、質問紙調査を実施した。その結果、教科指導における手話使用の利点としては、教師と生徒とのコミュニケーションの活発化や生徒の学習内容の理解の促進、手話使用の課題としては、教師や生徒の手話力の個人差などが明らかとなった。また、手話使用での配慮や工夫としては、音声や生徒の聴覚活用への配慮や教科の専門用語の語彙(手話単語)の工夫、手話使用の在り方についての意見としては、手話は生徒が学習内容を理解するために必要なものであることや、文字や指文字との併用が必要であることが示された。
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