| 研究課題/領域番号 |
20K22195
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| 研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
工藤 瞳 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (30880257)
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| 研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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| キーワード | チリ / 高等教育 / 無償化 / 教育政策 / 格差是正 |
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、南米チリにおいて、教育機会格差是正のために導入された政策の形成背景や効果、また政策が意図せざる影響をもたらしているのかを明らかにすることである。本研究では特に2015年に制定された学校包摂法と2016年に導入された高等教育無償化政策に着目している。 2022年度は、チリにおける教育機会格差是正に関する政策のうち、特に高等教育無償化政策に焦点を当てて研究を実施した。チリでは軍事政権下の1980年代以降、新自由主義的な高等教育改革が実施され、高等教育機関の多様化と、高等教育への国庫助成の見直しが行われた。国庫助成の見直しの一環として、授業料の徴収や学生ローンの貸付が実施されるようになった。高等教育機会が拡大する一方で、高等教育にかかる家計負担の大きさが問題となり、2011年に大学生を中心とした大規模な学生運動が起こった。2014年に就任したバチェレ大統領は高等教育の無償化政策の実現を図り、同政策は2016年に導入された。 教育省等のデータから、同政策によって、高等教育にかかる家計負担は一定程度軽減されたと推測される。ただし、同政策の対象者は出身家庭の収入が国全体の下位60%の者と設定されている一方で、主な受益者は中間所得層となっている。この背景として、対象機関が限定されていることや、そもそもの進学希望の有無が関連しているとみられる。先行研究では、同政策が教育機会の格差縮小につながっているかという点で課題も指摘されている。 高等教育の無償化は日本においても関心が高い政策であり、チリにおける政策の動向、効果、限界を明らかにすることは、日本にも示唆を与えうるものである。 高等教育無償化政策に関する研究成果は、2022年の日本国際教育学会第33回研究大会で発表しており、また2023年の日本比較教育学会第59回大会での発表も予定している。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
政策の背景や実施状況に関しては、公的機関の資料や先行研究の収集といった文献調査により一定程度把握し、研究成果も発表できた。一方で、現地調査ができず、政策の影響に関しては十分に明らかにできなかったため。
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| 今後の研究の推進方策 |
現地調査やオンラインでの調査によって、政策の影響を明らかにする。特に、高等教育無償化政策に関しては、日本における高等教育の修学支援新制度との比較も視野に入れて、政策の特徴や限界を明らかにする。これらの研究成果を学会で発表するとともに、論文・報告書の作成に取り組む。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2022年度もチリでの現地調査を行うことができず、次年度使用額が生じた。2023年度は現地調査のための旅費や資料収集、国内・国際学会への参加のために助成金を使用する。
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