本研究では戦後西ドイツにおけるカリキュラム理論において、カリキュラムの正当化がどのように行われてきたかを学説史にもとづいて検討した。60,70年代の西ドイツはディルタイ由来の精神科学を前身にもちながら、経験科学や批判理論など、多種多様な理論を背景に持つカリキュラム理論が打ち出され、カリキュラム開発実践の基盤となった。本研究はこうした西ドイツ独自の発展を遂げた60,70年代のカリキュラム研究の基盤にあるヴェーニガーのレーアプラン理論を検討し、彼の研究が以後のカリキュラム研究の出発点となったことを明らかにした。
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