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2020 年度 実施状況報告書

吃音者の不安症状および周囲の否定的態度の形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22202
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

飯村 大智  川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (40881842)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード吃音 / 不安 / 内受容感覚 / 態度 / 印象評価
研究実績の概要

本研究では,健常者を対象として吃音の非流暢発話や吃音などの障害に対する知識や認識を尋ねる質問紙調査と,吃音者および健常者を対象とした自己内受容感覚と不安との関連を調べる行動実験から構成される。
本年度においては,吃音の発話の印象評定の研究については,先行研究のレビューを行い,関連要因の検討を行った。認知・感情・行動の側面からスティグマが生じる構造は精神疾患分野における研究が進んでおり,このモデルを本研究にも取り入れることとした。モデルに基づいた質問紙の設計が完了し,2021年度頭に研究代表者の所属機関の倫理委員会に諮る予定である。本質問紙調査により,吃音に対する否定的態度の形成メカニズムについて,他の障害との差異も合わせて明らかにし,周囲の良好な態度を得られるために必要な吃音の理解促進の方法について明らかにできると考えられる。
内受容感覚の行動実験についても,まずは先行研究のレビューを行った。自閉スペクトラム症や不安障害を対象とした先行研究を調べ,それらの研究をもとに実験パラダイムを作成した。本実験においては,内受容感覚の精度,感度,気づきの3パラメータを測定する必要があるため,それを実現可能な心電計と心電のR波に応じて刺激が提示できるプログラムの実装準備を進めた。心電計および刺激提示プログラムのソフトウェアを10月に業者に発注している。また,実験計画については所属機関の倫理委員会の承認が得られている。本調査により吃音者の不安生起メカニズムについて内因性・外因性による影響について明らかにすることで,周囲の否定的態度がどの程度影響しているのかについてを質問紙調査と合わせて検討が可能となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

健常者対象の吃音の発話の印象評定の研究については,予定通りに進んでいる。
内受容感覚の行動実験については,やや遅れている。理由としては主に2つあり,1つ目は,心電計・刺激提示ソフトウェアの納期が遅れており,ソフトウェアについてはミリ秒単位での動作検証のために予定していた初年度内の納品に間に合っていないためである。2つ目は,新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により,対面での実験実施のスケジュールが立てることが困難な状態にあったためである。

今後の研究の推進方策

健常者対象の吃音の発話の印象評定の研究については,倫理委員会の承認が得られた後,インターネットモニタ会社に依頼をかけて調査を開始する。順調に行けば2021年夏ごろに調査は完了でき,秋から冬にかけてデータの解析・論文執筆を行う予定である。
内受容感覚の行動実験については,実験提示ソフトウェアの完成,動作の確認後に行動実験を開始する。行動実験は新型コロナウイルス感染拡大の対策を万全に行ったうえで実施する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に予算計上していた心電計・刺激提示ソフトウェアの納品が当該年度に間に合わなかったため,心電計・刺激提示ソフトウェアに相当する費用が次年度に繰り越しとなった。繰り越しとなった次年度使用額については当該年度に計上していた心電計・刺激提示ソフトウェアの支払いに使用し,翌年度分として請求していた分は当初の執行計画に則り使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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