研究課題
研究活動スタート支援
本研究課題において,非吃音者を対象とした質問紙調査においては,吃音への認識や態度,感情,行動についてCorriganらのスティグマのモデルをベースに吃音においての検証を行った。心理学的要因を吃音の病因と認識している非吃音者においては,生物学的要因を原因と認識している非吃音者よりも,より吃音に対する否定的な感情との関連性を示すことが明らかとなり,吃音への否定的な感情要因の寄与を明らかにした。
吃音・流暢性障害
吃音の病因の認識と態度への影響について,海外と同様の知見を尺度の信頼性妥当性も検証した上で明らかにし,吃音者への態度と社会心理学的要因との関連を明らかとし,スティグマのモデルを吃音で応用した点に学術的意義がある。また,吃音の偏見軽減に向けて吃音の正しい理解を促すことが良好な態度形成と関連することが示唆され,スティグマを解消するための今後の社会的啓発を推進するエビデンスとなった点に社会的意義がある。