研究課題/領域番号 |
20K22205
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
式部 絢子 北海道大学, 高等教育推進機構, 研究員 (00885486)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
キーワード | 多文化共生 / 外国人支援 / 地域 / 日本語支援 / 自治体 |
研究実績の概要 |
本研究は、北海道における外国人との多文化共生に関する各地域と研究機関内の取り組みの状況を把握し、取り組みモデルを作成することを目的とする。2019年に在留資格が増え、外国人人材の受け入れが全国的に広がりを見せており、北海道も例外ではない。しかし、市町村や機関を超えた情報が共有されにくく、連携の不足、取り組みの質や量の不均衡という課題が生じている。 そこで、本研究では①北海道各地域の現状把握調査、北海道大学内の研究・実践の調査を行う。②さらにいくつかの地域を取り上げ、取り組みに関わるキーパーソンへのインタビューを行う。③インタビュー結果の整理、団体の類型化。④これらの情報を共有できるweb上のプラットフォームを作る。 当該年度は①+②をまとめた冊子を作成した。冊子は、北海道全市町村、民間団体13か所に配布し、その成果を広く共有した。また、所属大学で行われた「第1回地域日本語教育シンポジウム」の参加者約80名にも配布した。オンライン開催だったため、道外参加者にも調査結果を広く知ってもらう機会に恵まれた。②の聞き取り調査についても、これまでに民間団体2か所・自治体4か所に実施した。③については、当初予定していなかった類型化の作業を追加した。インタビューを行う中で、支援体制の共通性や特性が見えてきたため、ネットワークの分析をする前に、その類型化を行うことで、おおまかな特性をつかみたいというのが理由である。④についてはwebサイト設置を試みたが、本研究独自で作ることが難しいとわかったため、他の研究と連携して掲載していく方向で調整を試みている。 前年度に続き、いくつかの自治体・団体・企業から、調査内容や取組についての意見交換や助言を求められるなど、関係性が作られつつある。研究活動自体が、地域における多文化共生の意識化、推進につながっていると感じてる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
冊子作成を通じて、結果をまとめたことで現状調査については順調に終了した。インタビュー調査では、支援内容を支える団体の抱える課題や、状況に共通性や課題が見えてきたため、計画に多少の変更が生じている。当初は支援体制を支える人的ネットワークに着目し、支援体制構築のなされ方を観ようとしていたが、その前に団体の共通性や特性について理解を深めたいと考え、もうひと段階作業を増やしたためである。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、インタビューをした団体の類型化に取り組み、さらに昨年度行くことができなかった地域(2か所を予定)に行き、インタビューを行う。また、これらの成果をweb上で共有するプラットフォームについては、予算の都合上、この研究のみで作ることは難しいため、所属大学の教員を中心に作るwebサイトに一部載せてもらうための、情報などの整理を行う。また、インタビューや支援団体への参与観察から得られたデータをまとめ、学会発表または論文投稿をする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスや、大雪などによる交通障害のために予定していたインタビューが行えなかったため、次年度使用額が生じた。今年度の使用計画は、予定していた2か所へのインタビュー調査や、学会発表のための費用として使用する予定である。
|
備考 |
調査内容をまとめ、配布した冊子は、こちらのwebサイトから閲覧可能。冊子タイトル:地域社会と多文化共生 つながりあう北海道をめざして LOCAL SOCIETY and MULTICULTURAL CONVIVIALITY https://shakehokkaido.jimdosite.com
|