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2022 年度 実績報告書

注意欠如多動症ハイリスク児に対する円環的評価モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K22215
研究機関名寄市立大学

研究代表者

奥村 香澄  名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (60781482)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワードADHDハイリスク児 / 早期支援 / 認知特性
研究実績の概要

本研究では、就学後に学習面、対人面にて困難さが予想されるADHDハイリスク児に対して、その認知的特徴や干渉抑制課題遂行時の前頭前部活動の傾向を捉えることによって、早期発見、早期支援について知見を得ることを目的とした。新型コロナウイルスの流行により、近赤外線スぺクトロスコピーによる課題遂行時の脳活動の計測を実施することができなかった。そのため、特に認知面での特徴に焦点を当てた検討を行った。その結果、ADHDハイリスク児においては、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度といった認知機能のうち、ワーキングメモリーにおける困難さが顕著に表れることが明らかになった。このことは、就学後に教室における教師の一斉指示への聞き取りの困難さ、マルチタスクや順序性のある課題などに対する苦手さにつながると予測される。ワーキングメモリーの困難さは幼児期においても、所属園においても、ゲームのルールが理解できない、一斉指示を理解して、指定された行動ができないなどの状態像として表出している。一方で、家庭においては、日々のルーティーンができているために、保護者としては、特に困難さを感じていない場合も多い。これらの結果から、ADHDハイリスク児の早期発見、早期支援のためには、家庭と所属園の連携、および、両者の困難さを多面的に支援するために、保健センターや療育施設との連携が求められると考えられる。さらに、知覚推理と言語理解との間に有意差が見られた。自閉スペクトラム症などの発達障害では視覚的な情報の操作に優れているとの知見もあるものの、本研究では言語面での相対的な強さが見られた。これらのことから、ハイリスク児においては、自身の思いや考えていることを言語化できるものの、一見して全体指示を聞いていないように見えてしまったり、プリント課題などの視覚的な課題において困難さが表出する可能性があると推測される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 保育者を目指す学生にとっての特別支援学校教育実習の意義2023

    • 著者名/発表者名
      奥村香澄・藤川雅人・郡司竜平・安永啓司
    • 雑誌名

      社会保育実践研究

      巻: 7 ページ: 53-60

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 発達障害児・者の生理心理学的アプローチによる理解(3)2022

    • 著者名/発表者名
      吉井鮎美・中野泰司・奥村香澄・池田吉史・岡崎慎治
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
  • [学会発表] コロナ禍における特別支援教育実習への大学の対応-市教育委員会との連携-2022

    • 著者名/発表者名
      藤川雅人・奥村香澄・安永蟄司
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会

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公開日: 2023-12-25  

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