本研究では、就学後に学習面、対人面にて困難さが予想されるADHDハイリスク児に対して、その認知的特徴を捉えることによって、早期発見、早期支援について知見を得ることを目的とした。5歳から6歳までの就学前の幼児21名を対象として知能検査であるWISC-IVを実施した。その結果、ADHDハイリスク児においては、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度といった認知機能のうち、ワーキングメモリーにおける困難さが顕著に表れることが明らかになった。さらに、ADHDハイリスク児では、言語面での相対的な強さが見られた。これらの認知特性を考慮に入れた支援を就学後も引き続き行っていく必要があると言える。
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