本研究の目的は、中国農村部の中学校教育における「生活指導」の側面に焦点を当て、その実態とメカニズムを学校(教師)および家庭(親)の両方から明らかにすることである。計画当初は、現地でのフィールドワーク調査を実施する予定であったが、研究期間が新型コロナウィルスの流行と重なってしまったため、調査を実施することができなかった。そこで農村部の親を対象としたオンラインインタビューを実施しながら研究を進めてきた。本研究から明らかとなったのは、農村部の親たちは学校教育の役割を「学習指導」に限定し、家庭(親)が子どもの教育の最終的な責任者と捉えるなど、家庭教育の責任範囲を広く捉えていたことである。
|