研究課題/領域番号 |
20K22227
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研究機関 | 大和大学 |
研究代表者 |
鈴木 千春 大和大学, 教育学部, 講師 (60874831)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校家庭科 / 生活科 / 家族の学習 / 絵本 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は小学校家庭科と生活科における「家族の学習」に市販絵本を活用した授業実践を行い、絵本の選定のポイントと効果的な活用方法を明らかにするものである。2020年度は、授業実践の実施を計画していた。2019年12月に研究協力校の承諾を得て、6年生2クラス1時間、2年生3クラス1時間の実践が完了した。コロナ禍において、実施可能な授業形態や実施内容を計画していたことが、協力を得やすくなった点として評価できる。 市販絵本の活用方法は、開発した2種類のワークシート(WS‐A・WS‐B)と合わせて学習に用いることを提案した。授業実践では「家族の学習」におけるめあての達成に向け、WS‐A群とWS‐B群との比較を通して効果的な活用方法の検証を行った。 事前質問紙調査の回収及び分析も計画通り終了し、2群には差がないことが確定したことにより、実施した授業の分析は有効である。2群のワークシートの記述内容は明確に違いが表出されており、授業の効果を示すことができる結果が得られた。事後質問紙調査の回収及び分析も終了した。授業に活用できる選定基準を満たした絵本は「家族の学習」において「家庭生活」や「協力」といった重要項目を促すことができることが分かった。 家庭科と生活科の実践及びデータ分析はほぼ終わり、それぞれの効果的な活用方法は明らかになりつつある。今年度の計画実施は「家族の学習」における教材開発の課題を解決できる方向性を示すことができる点において重要なデータとなり、学校現場への活用が実現しうる可能性が高まった点は、研究の意義がある。 今後は発達段階による比較を通して、教材をパックし現場への還元を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度の計画は、小学校家庭科及び生活科の授業実践を実施すことであった。また、それに伴い、事前・事後の質問紙調査も実施し、回収、分析を行う計画であった。現在、両教科の授業実践は終了し、質問紙調査、ワークシートの分析もほぼ終わった。 家庭科の授業実践の結果及び考察がまとまり、所属学会への論文投稿に向け、執筆を始めている。生活科については、単独のデータ分析が終わった段階である。 個人データを収集しているが、流失、紛失がないよう厳重に管理できている。
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今後の研究の推進方策 |
小学校家庭科と生活科のそれぞれの授業実践及び分析は終わっているが、教科間の比較はできていない。そのため、発達段階の差異に注目した分析、考察は、2021年度の計画であるため、今後取り掛かる予定である。また、その結果を所属学会で発表し、論文の執筆、投稿するまでを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウイルス感染対策によって各学会の大会がオンラインでの実施に変更された。よって10万円を計上していましたが、学会参加における経費は必要なくなり未使用となった。また、会議もオンラインで開催できるものは積極的に取り入れたことで、交通費の削減ができた。2021年度は現地で開催される学会や会議がある場合には使用予定である。 データ処理用のデスクトップを、性能の比較的良いノートPCに変更したことで経費が削減できた。
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