本研究は、身の回りの物での乳児の遊びを分析し、生活環境にある物が、遊ぶ行為の発達に与える影響についてアフォーダンスの観点から検討した。家庭において縦断的にビデオ撮影を行い、日用品やおもちゃなど、生活環境にある多様な物との関わりについて分析を行った。乳児は様々な物のアフォーダンスを探索し、物での遊びは移動の発達に伴い、容器を用いた運搬を伴うものとなった。また、比較的早期に複数物を出し入れすることが遊びとして成立し、それが社会的環境に組み込まれていくプロセスが明らかになった。日常生活の文脈において物の配置換えを行うことが、社会性の発達や、長い持続に渡る認知的機能に影響を与えることが示唆された。
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