本研究では学校への予算に関する権限移譲の実態を分析することで、当該政策のインパクトを素描することを目指すものである。その取り組みの成果として、S市における学校への予算権委譲の事例の分析を通じて、「提案型」の導入経緯、実施状況等を素描した。また、取り組みの成果として各学校に予算要望の機会等を与えられることが、経営計画の立案過程における自校の課題の検討やその結果を踏まえた目標設定に寄与しており、経営計画の質的向上に一定程度寄与している点が看守された。その一方で、学校におけるアイデア創出の営みにおいては、子どもや保護者、地域住民など教職員以外の多様な主体の参画が課題であることが明らかとなった。
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