コロナ禍の影響により移動が困難なため、関係資料のデータ化および整理に取り組んだ。併せて、戦後日本における教育と教育学、とりわけ生活綴方教育に関する実践記録、教育行政学、教育法学、教育運動論に関する資料の収集にも取り組んだ。恵那教育会議および恵那地域における勤評闘争の展開に大きな意味を持つ、岐阜県教職員組合恵那支部の1957年方針の分析する論文に加えて、運動のキーパーソンである石田和男氏の教育運動、教育実践に関わる思想についての分析する論文としてまとめた(石田氏の追悼論文集として刊行予定)。 また2021年度は、実践記録の収集へと重点を移した。これら資料については、目録等の形で残すべく整理に取り組んでいる。 その他、現代的な教育課題に関しては、日本子どもを守る会編『子ども白書2021』2021年、かもがわ出版において、一斉休校後の行事や教育活動の見直し、急激なICT機器の導入にゆれる学校について「コロナ禍を経験した学校はどこへ向かうのか」としてまとめた。とりわけ、ICT教育との関係では、「教育方法としての『自治』の検討:情報化社会における学校でどのように学ぶか」『東北生活文化大学・東北生活文化大学短期大学部教職課程センター年報』vol.6で、個別最適化や自主性を真に探究する場合、機器の利用にとどまらないことを提起した。関連して、「教室・学校の《物語》とは何か」『教育』2021年5月号では、現在の事態においても、生活綴方教育以来の思想が困難をくぐり抜ける手掛かりであることを提起した。 そのほかに、地域民主教育全国交流研究会2021交流研佐賀第4回「地域」分科会、2021子どもの未来をひらく みやぎ教育の集い 分科会「臨時教職員のしゃべり場」、第60回社会教育研究全国集会(南三陸集会)13分科会「地域と学校」などの場で資料収集による研究の知見を報告し、討議の機会を持った。
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