研究課題/領域番号 |
20K22271
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
片山 綾 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 研究員 (30881106)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | セルフ・コントロール / 衝動性 / web / 行動分析 / 損失 |
研究実績の概要 |
申請者はこれまでに新しいセルフ・コントロール選択場面(即時小損失/遅延大利得-即時小利得/遅延大損失選択場面)を提案し、その妥当性を示すとともに、セルフ・コントロールを促進する要因の検討を行ってきた。しかしそれらは全て実験室で行われたため、参加者のサンプリングに制限があった。本研究では、Web上でセルフ・コントロール選択率を測定できる測定法を新たに開発し、その利用可能性と問題点を検討する。また、高衝動性群と低衝動性群との間でセルフ・コントロールの程度を比較することで、新しい選択場面の妥当性の更なる検討も行う。 これまで、選択行動をWeb上で測定する研究は行われていないため、そのメリット・デメリットを明らかにすることは今後の選択行動研究にとって有用である。更に、セルフ・コントロールを促進する要因を操作した選択場面を呈示することで、インターネットを通じた問題行動への介入が可能になるかもしれない。 2020年度は、Web上で動く実験プログラムの作成を行った。実験プログラムは、JavaScriptとPHPを用いて作成した。実験プログラムの内容は、これまでの申請者の研究で用いられたものと同一である。実験を全てWeb上で行うため、実験プログラムには、実験についての説明、実験参加に関する同意、研究データの使用に関する同意、選択場面についての教示も含めた。実験で得られたデータは、参加者が研究データの使用に同意するボタンを押すと、サーバ上のデータベースに送信・保存される。 実験プログラムを作成し動作確認を行った後、大学生を対象とした予備実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の1つは、Web上でセルフ・コントロール選択率を測定できる測定法を新たに開発し、その利用可能性と問題点を検討することである。このうち、測定法の開発については順調に進捗している。利用可能性と問題点の検討を目的とした、大学生を対象とした実験については、これから進めていく状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、引き続き大学生を対象とした実験を行い、新しく開発したWeb上で測定を行う実験プログラムの利用可能性や問題点を検討する。 また、本研究のもう1つの目的である新しい選択場面の妥当性の更なる検討のため、喫煙者・禁煙成功者・非喫煙者を対象に実験を行い、セルフ・コントロール選択率を比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止を踏まえた国際学会・国内学会の中止やオンライン開催により、2020年度に予定していた旅費を支出しなかったため。 2021年度は、喫煙者・禁煙成功者・非喫煙者を対象とした実験の規模を拡大し、2021年度分として請求した助成金と合わせて、この実験の実施のために使用する。
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