研究課題/領域番号 |
20K22276
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研究機関 | 帝塚山学院大学 |
研究代表者 |
中村 早希 帝塚山学院大学, 人間科学部, 講師 (60878304)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 長期的な説得 / 説得的コミュニケーション / 態度変容 / 経験サンプリング法 / 時系列変化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、長期的な説得を伴う意思決定プロセスを、態度の時系列変化に着目して明らかにすることである。そこで本研究は一般市民が受ける長期的な説得の事例として大阪都構想に関する住民投票(2020年11月1日実施)を取り上げ、投票に至るまでの態度の時系列変化や投票先を決定するプロセスについて検討する。本研究では、従来の実験的な研究手法では捉えることが困難であった、我々の生活に根ざした説得場面での態度を捉えるために、スマートデバイスを用いたWEB調査を導入する。これにより住民投票期間中の有権者の態度を繰り返し測定が可能になる。 令和2年度は、調査計画を立案し、データ収集することを目標とした。実際に2020年11月1日に実施された大阪都構想に関する住民投票について、スマートデバイスによって回答可能なWEB調査形式にて、告示前に1回、投票期間中に3回、投開票後に1回の合計5回にわたって調査を行った。収集したデータを整理し、各変数の度数や代表値などを算出した。 令和3年度は、収集したデータを分析し、その成果をまとめることを目標とした。従来の説得理論の外的妥当性および長期的な説得による意思決定プロセスについて検討するために、収集したデータをもとに(1)長期的な説得場面における態度変容の生起、(2)説得の二過程モデルの適用、(3)説得の効果要因の探索、の3つの観点から分析を行った。現在、追加の分析や成果のまとめを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画通り、令和3年度は収集したデータの分析を進め、結果の一部を学会発表した。しかし、追加のデータ分析などにより、成果のまとめに遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、追加の分析を進め、論文化に向けてデータをまとめる。データ分析の結果をもとに、従来の説得理論の外的妥当性および長期的な説得による意思決定プロセスについて考察をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由として、コロナ禍により学会がリモート開催となったため、旅費を必要としなかったことが挙げられる。また、研究の進捗の遅れにより、論文化の経費が未使用のままとなっている。さらに、現在までに分析補助を必要とする業務が発生しておらず、追加のデータ収集なども行っていないため、人件費・謝礼費も使用していない。 残額については、主に次年度の学会参加への発表費および旅費として使用する。また、論文投稿にかかる費用としても使用する。さらに研究を進めるにあたって追加でデータ収集が必要となった場合には、調査協力者への謝礼として使用する。
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