研究実績の概要 |
近年、ICT(Information and Communication Technology:ICT)を用いた心理療法は、医療格差を縮小させる手段として社会実装が期待されている(Blaya et al., 2010)。本研究の目的は情報通信技術を用いた不眠症患者に対する遠隔認知行動療法の基盤整備を行うことである。 2021年度は、前年度に実施した研究1、2のICTを用いた心理療法に関する尺度作成に関して、第25回日本遠隔医療学会学術大会において学会発表を行った。また、これらの尺度を不眠症に対する遠隔心理療法の臨床試験で使用し、妥当性・信頼性の検証を進めた。具体的には、遠隔心理療法を実施する前後でセラピスト、クライエントがICTを用いた心理療法への態度について回答した。さらに、尺度の内容に関する認知的インタビューを行い、項目内容のわかりにくさなど内容的妥当性の検証を行った。これらの結果は国際誌に投稿予定である。 研究3では、ICTを用いた心理療法に対する態度を明らかにすることを目的とし、インタビュー調査を実施した。対象は、高齢者に多い不眠症患者および医師や臨床検査技師を含む医療従事者とし、遠隔心理療法を実施する前と実施した後の2時点で行った。インタビュー結果よりICTを用いた心理療法を行う際の障壁や促進要因についての検討を行った。遠隔心理療法を提供する際の利点や限界についても明らかになった。これらの結果は国際誌に投稿予定である。
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