ダークパーソナリティ特性は,非生産的職務行動,セクシャル・ハラスメント,いじめ・攻撃行動などの多様な問題行動に関わる特性であり,このような問題行動の予防・介入時に考慮に入れられるべき重要な特性であると考えられる。 しかし,これらの知見はほとんどが欧米圏の研究であり,東アジア圏の研究知見は乏しい。欧米圏と東アジア圏との間では自己観が異なることや,東アジア圏の方がダークパーソナリティ特性の得点が低いことから,この特性の文化的等価性が問題として残されている。本研究によってその文化的等価性を示したことは,我が国の問題行動への予防・介入に向けて海外の研究知見の応用可能性を示唆するものである。
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