研究課題/領域番号 |
20K22292
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (10879969)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | うつ / 不安 / マインドフルネス / 脳波 / 機械学習 / 注意 / マインドワンダリング / 瞑想 |
研究実績の概要 |
どのような脳波の特徴を持つ人が、特にマインドフルネス集団療法が有効であるのかを検証することを目的としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、新たなデータを取得することができなかった。そこで、これまで研究室で取得してきたマインドフルネス集団療法の臨床試験の、約50名分ほどの3分間の安静時の脳波データを用いて、うつ・不安の改善量と関連する脳波の特徴を探索する解析を進めようとしている。2021年度は、効果の予測にも応用可能な、マインドフルネス瞑想を実施中の注意の状態を推定する機械学習のモデルを用いて、瞑想実践者の瞑想の特徴を抽出する研究の成果発表を行なった。脳波から推定された「雑念が生じたことに気づいてから、現在の体験に戻ってこられる早さ」の改善度が、8週間のマインドフルネス集団療法によるうつの改善度を説明することを示した共著論文がPsychology & Neuroscienceに掲載された(Kawashima, Takahashi et al., 2022)。また、マインドフルネス介入が効果を示す基盤と言われるセルフコンパッション(自分に思いやりを向ける)に着目し、うつや不安への効果を媒介的に説明することも示し、学会発表を行なった。セルフコンパッションと関わる脳波なども、効果を予測する指標の候補となり得る。今後の予定としては、これらの知見を参考にしつつ、安静時脳波のデータの二次解析を行い、脳波からうつ・不安の改善度を予測できるかの検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまで対面で実施していたマインドフルネス集団療法が、新型コロナウイルスの感染拡大のために実施することができず、新たなデータを取得することができなかったことに加え、解析補助者が確保できず解析も計画通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度も対面での集団介入ができないことが予想されるため、これまでに取得してきたデータを用い、解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析補助者のバイト代や、論文投稿費として残していたが、それぞれ2021年度中に使用が間に合わず、2022年度に解析に関わる費用及び論文校閲や投稿のための費用として使用する予定である。
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