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2020 年度 実施状況報告書

重調和方程式に対する超収束HDG法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K22300
研究機関筑波大学

研究代表者

及川 一誠  筑波大学, 数理物質系, 准教授 (10637466)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード数値解析 / HDG法
研究実績の概要

Poisson方程式などの2階の偏微分方程式に対して,Hybridizable Discontinuous Galerkin (HDG) 法の超収束性に関する研究は既に行われている.一方で高階の問題に対しては未だに超収束するHDG法のスキームの開発は進んでいない.
本研究では,重調和方程式に対するHDG法の超収束スキームの開発および超収束性に関する数学理論の確立を目指している.重調和方程式を2つのPoisson方程式を連立させた形に書き直し,従来通りのHDG法の定式化を行うという先行研究は既に存在する.先行研究は第二種の重調和問題に対してはPoisson方程式と同様に超収束することは簡単に示される.一方で,第一種の重調和問題に対しては超収束性が見られないことがわかっている.つまり,4つある変数のうち2つに関しては収束次数が最善であることが示されているが,残りの2つに関しては最善ではない.残りの2つの変数に関して最善の収束次数を達成するということが長い間,解決すべき課題として残っている.
今年度は,勾配に関する補助変数の数値流束を未知関数とみなすという新しいHDG法の定式化に関する研究を行った.新手法に関する数値実験を実施した結果,4つの変数のうち1つだけを除いて最善の収束次数を達成できていることが確認できた.先行研究よりも収束次数が改善したが,依然として1つの変数について最善の収束次数が達成できていない.この点に関しては,新スキームの数学的な誤差評価とともに,次年度の課題として残った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は,重調和方程式に対するHDG法の新しい定式化を考案し,数値実験により,すでに知られている手法よりも収束次数が改善していることを確認できた.数学的な考察により,新スキームのさらなる改善が期待される.以上の理由から,1年目終了時点としては予定通りに進んでいると考える.

今後の研究の推進方策

今年度得られたHDG法の新スキームに関して,数値実験の結果,従来手法よりも収束次数が改善していることが確認できた.新スキームの数学的な誤差評価が次年度の目標である.数学解析を通じて,新スキームの収束次数のさらなる向上を目指したい.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた主な理由は旅費が当初の使用予定額を下回ったためである.次年度も旅費の使用額が低いことが予想されるので,数値計算用ワークステーションPCの購入費用として物品費に計上する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] An analysis on the penalty and Nitsche's methods for the Stokes--Darcy system with a curved interface2021

    • 著者名/発表者名
      Guanyu Zhou, Kashiwabara Takahito, Oikawa Issei, Eric Chung, Ming-Cheng Shiue
    • 雑誌名

      Applied Numerical Mathematics

      巻: 165 ページ: 83-118

    • DOI

      10.1016/J.APNUM.2021.02.006

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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