研究課題
現実の世界で観察される諸現象を表現、解析、さらに将来予測等のために数理モデル、特に確率要素の表現を目指した確率モデルが、自然科学や社会科学のあらゆる分野で用いられる。実用レベルで求められる確率モデルは年々際限なく大規模かつ複雑になり、数値計算に頼らざるを得ない問題設定が大多数を占めるにいたり、数値手法の効果的な実装理論、収束保証、誤差評価の需要がこれまで以上に高まっている。本研究では、計算資源の最適執行や反復計算の最適停止といった実装レベルにおいて必要不可欠な諸問題に主眼を置き、多岐に渡る確率数値解析の基盤理論構築、収束誤差解析、そして計算速度向上を目指している。本研究では多岐に渡る確率数値手法の理論開発、計算速度向上と収束誤差解析を、特に実装レベルまで視野に入れて目指しており、具体的には、モデルや問題設定に依存しない確率数値手法と、モデルベースもしくは問題設定毎の確率数値手法に分類される。モンテカルロ法、分散減少法、確率的勾配降下法、無限分解可能分布、マルチンゲール理論、マリアバン解析といった、本研究で要求される理論体系に関しても、これまでの別の研究業績に見られるように十分に精通しており、すでにいくつかの研究課題に着手した状態にあり、順調に研究活動を開始できた。そのおかげもあり、2020年度以降で論文4編が査読付き国際専門誌における公刊に至った。
2: おおむね順調に進展している
上に述べたように、2020年度以降で論文4編が査読付き国際専門誌における公刊に至った。どれも一流専門誌である。
初年度は新型コロナウィルス感染症の影響のため研究訪問を控えざるを得なかった。2021年度については、新型コロナウィルス感染症騒動がある程度収束していると仮定し、必要となる解析に関わる専門家を訪ねて議論を交わすことも考えたい。日本における啓蒙も兼ねて国内での成果発表の機会も多く持ち、さらに実務界との連携も探っていきたい。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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