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2021 年度 実施状況報告書

CR多様体の不変量および不変微分作用素の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K22318
研究機関電気通信大学

研究代表者

丸亀 泰二  電気通信大学, 情報理工学域, 准教授 (50872983)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワードCR多様体 / Einstein計量 / アンビエント計量 / CR不変量
研究実績の概要

本研究の目的は,CR多様体の幾何学的な不変量や不変微分作用素を,CR多様体を無限遠境界にもつ完備Einstein計量を利用して構成・分類し,それらの性質を調べることだった.
本年度は,主にCR多様体の大域的CR不変量の構成に関する研究を行った.これまでの研究では,有界強擬凸領域上の完備Kahler-Einstein計量(Cheng-Yau計量)の繰り込まれた特性形式と第1Chern形式を組み合わせた微分形式の積分の有限部分をとることにより,境界の大域的CR不変量の族が構成できることが分かっていた.本年度の研究では,この構成をより一般化することを考察した.境界積分のCR不変性の証明をよく吟味した結果,特性形式を用いること自体は本質的なことではなく,重要なのは閉形式であることと,境界での漸近展開の低次の項がCR多様体の曲率量で記述できることであることに気づいた.したがって,特性形式の代わりに,Cheng-Yau計量の微分を含むような他の閉形式に置き換えた場合も,微分の階数が十分小さい場合には境界の大域的CR不変量が構成されることになる.しかし,Cheng-Yau計量の曲率の高階微分をどの程度含んでもよいのか,あるいは,どのような場合に非自明な不変量,特にこれまで得られた不変量と独立な不変量が得られるのかは分かっていない.
もうひとつの研究課題である,Cheng-Yau計量を一般化した漸近的複素双曲(ACH)Einstein計量を利用した境界のCR不変微分作用素の構成に関しては,高次元化を進める前に,3次元CR多様体の場合の構成を再び吟味する方策をとることにした結果,ACH計量に対応するような
アンビエント計量を構成するための指針を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は所属の異動に伴う準備等により,十分な研究時間がとれず,また,本研究課題とは直接関係しない研究にも取り組んだことにより,計画の実施に遅れが生じたから.しかしながら,研究課題であるCR多様体の大域的不変量の構成およびCR不変微分作用素の構成の両方において,今後の研究につながる指針を得ることができた.

今後の研究の推進方策

今後は,これまでの研究で得られた方針を引き続き推し進めていく.

次年度使用額が生じた理由

2020年度,2021年度は,ともに新型コロナウイルスによる影響で,研究集会に参加して旅費を使用する機会がほとんどなく,研究費に残額が生じたため,研究期間の延長を行った.次年度は出張の機会がある程度見込まれるため,そのための旅費として使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Bonnet theorem for statistical manifolds2021

    • 著者名/発表者名
      Taiji Marugame
    • 雑誌名

      Information Geometry

      巻: 4 ページ: 363-376

    • DOI

      10.1007/s41884-021-00056-4

    • 査読あり
  • [学会発表] The Cheng-Yau metric on strictly pseudoconvex domains and global CR invariants2021

    • 著者名/発表者名
      丸亀泰二
    • 学会等名
      阪大幾何セミナー

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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