研究課題
プラズマ装置APSEDASにおいて、ヘリウムプラズマ照射時にヘリコンモード遷移によりタングステンへのナノ構造を形成させその成長速度を既存の直流放電方式プラズマ装置と比較した結果、ほぼ同じ成長速度であることが示された。一方で、ナノ構造の成長速度にイオン照射量に加えてイオン粒子束も影響することが示唆された。また、照射開始直後のプラズマにおいて、ナノ構造バンドルの初期過程に該当する針状バンドルが確認された。これは不純物ガスを添加しないHeプラズマ照射による結果である。ナノ構造バンドルは、RFプラズマ装置では純Heプラズマ時のヘリコンモードの時に発見され、APSEDASによる発見は既存のRFプラズマ装置(米国MITのDIONISOS)に次ぐ2番目の発見であり、既存の照射条件の妥当性を裏付ける結果である。一方、直流放電プラズマ装置では少量の不純物ガスを添加した際に発見され、生成過程の主要因としてスパッタリングー再堆積によるタングステンの表面間移動と見なされている。本研究の当初の目標であるナノ構造バンドルの生成機構の解明までは至っていないものの、今後のAPSEDASでの不純物添加によるナノ構造バンドル生成実験を通して生成過程を明確がしていく方針である。不純物添加効果を調べるために脱着可能なスパッタリングワイヤ―導入系を用いて、ヘリウムータングステン共堆積実験を実施した。タングステンスパッタリング時間を制御し、共堆積層の厚さが照射量に依存し、堆積層の表面は微細な粒状構造が一様に分布した。FIB-SEMによる断面計測ではヘリウムバブル由来の空洞が多数観測され、一部は1500 K以上の熱焼鈍後にも消えず、凝集してより大きい空洞を形成した。断面の面積により見積もった堆積層空孔率は20-50%に及び、ヘリウムとタングステンの入射フラックスの比率に依存すると考えられる。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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