研究課題
地熱増産システムや火山噴火予知への注目から,地下流体の三次元空間分布に加えて,その空間分布の時間変化を解明できる技術が必要とされている。本研究では電磁探査法モニタリングを用いた非破壊で地下流体の時空間分布を解明できる技術を開発した。非破壊で刻一刻と変化する地下流体のダイナミクスを解明できると,地熱発電においては熱水貯留層の生産管理に役立つ。一方,火山地域での地下流体の時空間分布の解明は火山噴火予知に貢献ができる。これまで得られた研究成果を以下に示す。・地下流体の時空間変化を解明するためには,時間変化前の状態を正確に把握する必要がある。そこで,数値実験を用いて,電磁探査が真の地下比抵抗構造に近い比抵抗構造を求めることができるのか調査した。その結果,地下数kmに存在する高温の地下流体だまりを表す低比抵抗異常体が電磁探査によって正確に再現できることがわかった。・地下流体の時空間変化が発生した場合,地表での電磁探査レスポンスとして観測可能か数値実験を用いて調査した。数値実験では,地下流体の時間変化の発生が報告されている福島県奥会津地熱地域の地下比抵抗モデルを検討した。その結果,半年程度の時間間隔で起きる地下流体の時空間変化を地表での電磁探査受信機で検出できることがわかった。上記の数値実験により,電磁探査法モニタリング技術の地下流体の時空間分布解明への有効性が示された。・電磁探査データから地下比抵抗構造の時空間変化を推定できる数値解析技術の開発を行った。具体的には3D空間分布に時間方向を加えた4Dイメージングの開発を進めた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件)
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