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2022 年度 実績報告書

抗酸化酵素に用いられる活性中心金属の進化と大気海洋酸化還元変動史との関連性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22359
研究機関筑波大学

研究代表者

原田 真理子  筑波大学, 生命環境系, 助教 (80833631)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワード抗酸化酵素 / 活性金属中心 / 海洋化学組成
研究実績の概要

本研究は、抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性金属中心の起源と進化を明らかにすることを目的とする。最終年度は、昨年度から継続して、シアノバクテリアにおける鉄(Fe)とマンガン(Mn) を活性中心とする2種のSOD(FeSODおよびMnSOD)についての分子系統および祖先配列の解析を行った。また、FeとMn以外の金属元素を中心とするSOD(CuZnSODおよびNiSOD)についても、分子系統の解析を行った。本研究の結果からは、シアノバクテリアにおいてFe・MnSODは多くの系統群に分布しており、その起源は比較的古く、大酸化イベントやシアノバクテリアの共通祖先の分岐よりも前であることが示唆された。FeSODとMnSODの祖先は共通の祖先から誕生し、金属選択制の低い状態からそれぞれのSODが分岐したと考えられる。また、ニッケル(Ni)を活性中心とするNiSODについても、大酸化イベント前後には誕生していた可能性がある。NiSODは原生代後期以降に誕生した海洋性の系統群に特に多く分布しており、その多くはFeSODを保持していないことも明らかになった。銅・亜鉛を活性中心とするCuZnSODについては、解析に適した配列データセットが得られず、シアノバクテリアにおける獲得時期を特定できなかった。環境中、とりわけ海洋における溶存Fe・Mn濃度は大気酸素濃度の上昇に伴って、濃度が高い状態から現在の著しく低い状態に変化してきたと推定されることから、本研究の結果から、抗酸化酵素に用いられる活性中心金属が、環境中の金属イオン濃度に影響を受けて進化した可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Evolution of cyanobacteria and ancient biogeochemistry inferred from ancestral protein resurrection2023

    • 著者名/発表者名
      Mariko Harada
    • 学会等名
      原核光合成シンポジウム(第64回植物生理学会年会関連集会)
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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