研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、地磁気を用いた年代測定手法を検証するため、石垣島の単一サンゴから成る津波巨礫を用いて、同一試料から地磁気年代と放射性炭素年代を測定し比較検討した。その結果、拡張された理論に基づく地磁気年代測定では、放射性炭素年代と同等の年代値を得ることができた。また、複数の年代測定技術を組み合わせることで、2回目以降の移動年代を明らかにしただけでなく、トンガ王国の津波巨礫の移動年代も推定することができた。
地質学、古地磁気学
巨大地震・津波の再来周期を把握することは、将来起こり得る自然災害の被害を軽減するために重要である。津波で転がった巨礫は景観として印象的なだけでなく、過去の津波災害の危険性を現代に伝承する貴重な試料である。この津波巨礫が何回移動したのかというシンプルでありながら、これまでの技術では解消できなかった課題に、地磁気を用いた年代測定技術を用いて取り組んだ。その結果、石垣島の津波巨礫から少なくとも2回の移動の痕跡を取り出せただけでなく、トンガ王国の津波巨礫の移動してきた年代をも明らかにできた。