気象において台風のような極端気象現象の発生は、基幹プロセスである積雲対流のカオス性が強く、予測は困難という認識が共有されてきた。しかしながら、近年の技術発展により、個々の積雲対流の発達を解像できる観測網や、シミュレーションで表現可能な数値予報モデル、それらを活用し得る計算機が整備され、そのような前提に風穴を開ける基盤が準備されつつある。本研究は、衛星観測データの新たな利用法と、その効果を定量的に示すものであり、開発した研究ベースの予測技術が、現業機関への実装を通じて社会(日々の天気予報)に貢献するにあたって不可欠な知見を提供した。
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