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2020 年度 実施状況報告書

高温高圧下のアンモニアのイオン伝導特性から探る天王星・海王星の多重極磁場の成因

研究課題

研究課題/領域番号 20K22366
研究機関岐阜大学

研究代表者

木村 友亮  岐阜大学, 工学部, 助教 (50624540)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード超イオン伝導体 / アンモニア / 天王星 / 高温高圧実験
研究実績の概要

本年度は測定に必要な研究環境の整備を行った。アンモニアの超イオン相を生成するための外熱式ダイヤモンドアンビルセル の作成を行った。電熱ヒーターや熱電対、イオン伝導率計測用の導線を試料まで配線できる様に断面にスリットが入ったダイヤモンドアンビルセルを設計した。高温時においても圧力を制御できるようにガス圧で圧力を制御するメンブレンタイプのダイヤモンドアンビルセルを採用した。高温度に対応した窒化ケイ素製の台座を採用した。試料の高温度条件を安定に供給するために、セルとダイヤモンドアンビルが酸化しない工夫が必要となる。本研究では特製の真空チャンバーを作成した。チャンバー封入時でも試料を観察できる様に両側にのぞき窓を設置した。その材質にはX線構造解析やラマン分析の邪魔にならないようにBK7を採用した。セル及び真空チャンバーの加熱を抑えるためにチャンバー内部に冷却水が流れる管を設置した。以上のような測定に必要な実験機器の設計と作成を行った。
高温度条件で正確に圧力を決定できる圧力マーカーを作成した。ホウ酸、炭酸ストロンチウム、酸化サマリウムを電気炉で加熱し、SrB4O7:Sm2+粉末を合成した。この粉末のX線回折線は文献のSrB4O7:Sm2+の構造と合致していた。そして、この粉末の蛍光スペクトルの圧力変化に対応するピーク波長のシフト量を調べたところ、おおよそ文献値と一致する結果が得られた。このことから、本研究の要求に耐えうる圧力マーカーの合成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画に沿って、実験測定に必要な研究環境の整備を行った。計画通りに実験機器の作成を行っているのため研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

引き続き研究環境の整備を行う。電熱ヒーター、冷却チラーなどを準備し、加熱テストを行う。その上で試料の高温高圧条件を生成し、イオン伝導率の測定を試みる。

次年度使用額が生じた理由

購入物品の納期が次年度に繰り越したため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Fluid-like elastic response of superionic NH3 in Uranus and Neptune2021

    • 著者名/発表者名
      Kimura Tomoaki、Murakami Motohiko
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 118 ページ: e2021810118

    • DOI

      10.1073/pnas.2021810118

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] アンモニアの超イオン相の弾性波速度測定2020

    • 著者名/発表者名
      木村友亮、村上元彦
    • 学会等名
      第61回高圧討論会
  • [備考] Two strange planets

    • URL

      https://ethz.ch/en/news-and-events/eth-news/news/2021/03/two-strange-planets.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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