本研究では、宇宙天気に関する各種統計が本格的に開始する国際地球観測年(1957-1958)以前の激甚宇宙天気現象について複数の試験的事例研究を行い、太陽表面、地磁気、オーロラなどの各種アナログ観測記録を検討することで、その時系列や規模を復元した。その結果、観測史上最大とされる1859年のキャリントン・イベントや1930年~1950年の激甚宇宙天気現象の太陽フレア、磁気嵐、オーロラ低緯度境界の時間変化や規模を定量的に復元した。また、774/775年のスーパーフレア候補についても、複数のデータをもとにフレアの規模推定を行った。これにより歴史的なアナログ記録による宇宙天気研究の可能性を実証した。
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