研究実績の概要 |
銀河形成の最初期段階を解明するための観測・理論的研究を行った。 極低金属量銀河に関するPI論文を1編出版 (Nakajima et al. 2022, ApJS, 262, 3)。現在までに知られている低金属量銀河を合算・編集し, 金属量推定手法を確立した。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡分光研究への貢献が期待される。また、光電離モデリングによる初期銀河・ブラックホールの分光学的特徴づけに関する理論論文をPIとして1編出版 (Nakajima & Maiolino et al. 2022, MNRAS, 513, 5134)。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によってもたらされる遠方天体の分光観測の解釈・輝線診断に役立つと期待される。そして、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初期観測データに基づくPI論文を1編提出 (Nakajima et al. 2023, ApJ Supplementにて査読中)。赤方偏移z=4-10の銀河の質量-金属量関係を100個以上の天体を用いて初めて統計的に明らかにし、その赤方偏移進化について議論した。並行して、すばる望遠鏡のFOCAS-IFUを用いた近傍の極低金属量銀河の分光観測プロジェクト EMPRESS 3D に基づくPI論文を1編準備中。空間分解された金属量分布を20天体以上の極低金属量銀河に対して求め、その低い金属量の起源に迫る重要な結果を導出し研究の重要な部分を当該年度に進展させた。 招待講演を含め、当初の研究計画の期待を上回る成果を上げることができた。
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