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2020 年度 実施状況報告書

気液二相デトネーションの伝播機構の解明:特性長による評価と伝播特性の体系的整理

研究課題

研究課題/領域番号 20K22391
研究機関名古屋大学

研究代表者

渡部 広吾輝  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20881238)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードデトネーション / 気液二相デトネーション / 伝播特性 / 液滴挙動 / 分裂
研究実績の概要

本研究では,次世代燃焼器への応用が期待される燃焼形態であるデトネーション燃焼の中でも液滴を含む気液二相デトネーションに関して,その伝播機構の解明と液滴及びデトネーションのパラメータを用いた伝播特性を整理する事を目指している.
本年度(2020年度)は液滴の挙動を精度良く再現する事ができるEulerian-Lagrangian手法に基づく二次元数値解析によって,初期液滴直径に分布を有する水液滴群を含む気液二相デトネーションにおける伝播特性と液滴挙動の解析を実施した.
水液滴群を含む気液二相デトネーションにおける液滴の分裂挙動を詳細に分析することにより,初期液滴直径に依らず液滴の分裂の主要因は横波とジェットである事が本研究により解明した.さらに、初期液滴直径に着目して液滴の挙動を分析する事で液滴の分裂に対する横波とジェットの貢献度は液滴の初期直径により変化する事を明らかにした.初期液滴直径が小さい液滴ではジェットを経験する前に分裂が終了するため横波が分裂に大きく貢献する事に対して,初期液滴直径が大きい液滴では分裂終了前に横波よりも強いジェットを経験する事によってより分裂が促進される.
初期液滴直径に分布を有する水液滴群を含む気液二相デトネーションにおける伝播特性に関しては,気相と液滴の特性長の比較から今回用いた水液滴の条件では分裂が反応誘導領域の後方で生じるため,気相デトネーションと類似した伝播特性を示す事を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画の通り,液滴を含む気液二相デトネーションの伝播機構を把握する上で重要となる液滴の挙動に関して、本年度の研究成果により液滴の分裂の主要因を同定する事に成功した.また,伝播特性に関しても,気相と液滴の特性長の比較により本年度用いた条件においては気相デトネーションと類似した特性を示す事を明らかにした.これらの重要な知見を獲得できた事から,本研究は概ね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

次年度(2021年度)は,初期液滴直径に分布を有する水液滴群を含む気液二相デトネーションにおける伝播特性と液滴挙動の解明に向けて,本年度(2020年度)の研究成果の更なる発展を試みる.具体的には,本年度に1つの液滴直径分布に対して獲得した知見をより一般化させるため,初期液滴直径に分布を有する水液滴群に関して条件を変更して解析を実施する.初期液滴直径に分布を有する液滴を含む気液二相デトネーションにおいて波面後方において直径分布がどのように発展するか検討を実施する.また,気相と液滴の特性長の関係性に着目して伝播特性を考察する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Numerical analysis on behavior of dilute water droplets in detonation2021

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Hiroaki、Matsuo Akiko、Chinnayya Ashwin、Matsuoka Ken、Kawasaki Akira、Kasahara Jiro
    • 雑誌名

      Proceedings of the Combustion Institute

      巻: 38 ページ: 3709~3716

    • DOI

      10.1016/j.proci.2020.07.141

  • [学会発表] Mean structure and droplet behavior in gaseous detonation with dilute water spray2021

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Watanabe, Akiko Matsuo, Ashwin Chinnayya, Ken Matsuoka, Akira Kawasaki, Jiro Kasahara
    • 学会等名
      Young researchers’ forum on detonation: from fundamentals to application
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Numerical analysis on behavior of dilute water droplets in detonation2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Watanabe, Akiko Matsuo, Ashwin Chinnayya, Ken Matsuoka, Akira Kawasaki, Jiro Kasahara
    • 学会等名
      38th International Symposium on Combustion
    • 国際学会
  • [学会発表] 初期直径分布を有する希薄な水液滴群を含む混合気中を伝播する気相デトネーションに関する数値解析2020

    • 著者名/発表者名
      渡部広吾輝,松尾亜紀子,Ashwin Chinnayya, 松岡健,川﨑央,笠原次郎
    • 学会等名
      日本機械学会2020年度年次大会
  • [学会発表] 初期直径分布を有する希薄な水液滴群を含む気相デトネーションの平均構造と液滴挙動に関する数値解析2020

    • 著者名/発表者名
      渡部広吾輝,松尾亜紀子,Ashwin Chinnayya, 松岡健,川﨑央,笠原次郎
    • 学会等名
      第58回燃焼シンポジウム
  • [学会発表] S-520-31号機によるデトネーション実験の進捗状況:飛行経路および姿勢予測2020

    • 著者名/発表者名
      渡部広吾輝,伊藤志朗,伊東山登,川﨑央,松岡健,松山行一,笠原次郎,松尾亜紀子,船木一幸,竹内伸介,岩崎祥大,和田明哲,増田純一,荒川聡,羽生宏人,山田和彦
    • 学会等名
      令和2年度宇宙輸送シンポジウム
  • [備考] 申請者 個人業績

    • URL

      http://www.prop.nuae.nagoya-u.ac.jp/member87.html

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公開日: 2021-12-27  

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